橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)Radical Nerve Palsy

Radical Nerve Palsy

There are three main nerves running in the arm.One is the radical nerve, the other is the median nerve and, lastly, the ulnar nerve.The radical nerve is easily damaged and paralyzed when you force your upper arm and push for a short time on something with a hard surface like the armrest of a chair…

You might discover this symptom for the first time only after you already had radical nerve palsy.There are many patients experiencing this,however,there are only a few details on how to fix this.

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Part 1 Radial Nerve Palsy (Wrist Drop) What is Radial Nerve Palsy ?

 

橈骨神経(とうこつしんけい)は腕に走行する主要な3つの神経のうちのひとつで、動かすという(運動神経)、感じるという(知覚神経)の両方の働きを持つ神経です。この神経は主に手首をそらす動きを支配する神経で、この神経が麻痺すると、手首が上がらない、指を伸ばせない、パー開くことができないなど運動障害としびれなどの知覚障害が同時に生じます。発症された方はびっくりされると思いますが、うたた寝など短時間で簡単に発症してしまう、よく見られる症状のひとつです。

しかし、専門的に対処できる所は少なく、この症状に対する正しい情報、治療法も十分とは言えません。橈骨神経麻痺で検索すれば、それなりの情報は出てきますが、学術的な記事ばかりであったり、ビタミンB12(メチコバール)などの薬物療法や、安静・運動療法・装具療法・保存的療法・手術など家庭の医学書のようなことが書いてある情報ばかりです。

「橈骨神経麻痺」という診断は貰えたけれど、「特に治療法はないと言われた」「自然に治ると言われたが、治らない」「数か月して治らなければ、手術と言われた」「ビタミン剤だけ処方されて様子をみるよう言われた」「次の診療が1ヶ月後で不安だ」「本当に有効な治療法はないのか?」「どれが正しい治療法なのかがわからない」というのが現実だと思います。

当院では長年、橈骨神経麻痺の施術をしてきて、約7000件の症例を積み重ねてきました。長年の経験を生かして様々なご質問、症状に対応しています。ご自分の症状にまさに一致する、これだと納得いただける実際の臨床に則した正確な情報を提供しています。「いまどう対応すればいいのか?」「施術はすぐに必要なのか?」「どういう施術を選択すればいいのか?」など橈骨神経麻痺を発症した方が必ず参考になることを詳しく解説しています。

最初の申し上げておきますが、橈骨神経麻痺は、怪我や骨折などの外傷からでなく、自分の体重で二の腕を圧迫してしまったなどの原因で発症したものであれば、治りやすい麻痺であると言えます。軽度であれば、自然に治っていくものも多いですが、気を付けなければならないのはすべての橈骨神経麻痺が自然に治るわけではないということです。

「治っていかないか?」しばらく様子をみるのは構いませんが、「治りが悪い」「途中で改善が止まってしまった」などのケースでは、適切な施術法を初期の段階で選択することが大切です。あとになって、数か月して治らない、腕のだるさがとれない、痛みやしびれが残ったなどで慌てて施術を始めても、完全には治癒できない場合が多いです。

橈骨神経麻痺(下垂手)の症状

橈骨神経麻痺の特徴

橈骨神経麻痺の典型的な症状は、手首に力が入らなくなり、手首がだらんとたれてしまう(下垂手)という症状です。手首の動きが障害されるのが特徴で、手首を上げられない、指をパーに開けない、グーにしっかり握れない、指を伸ばすことができないなどの動きが障害されます。

橈骨神経は手首を持ち上げるという運動神経と感覚神経の両方の働きを持つ神経です。この神経が障害されると、動かすという働きだけでなく(運動神経)、感じるという(感覚神経)の両方が障害されることが普通です。

麻痺の程度によって麻痺した状態の手の形(動き)は色々ありますが、だいたいが下記の写真のようなグーにしっかり握れない、パーの開くのも困難、手首は上に上がらないという状態であると思います。

 

運動神経の障害

手首の力が入らなくなり、だらんと垂れ下がる(下垂手)、手首が上がらない、指を上に上げる動きができなくなる、グーが握りにくくなる、パーに開けなくなる、ドアノブを右方向に捻る力(回外)が弱くなるなどが橈骨神経麻痺の特徴的な共通する症状です。麻痺の程度が重いほど、手首を上に持ち上げられない、グーに握れない、パーに開けないなどの症状が顕著です。

手首の筋力(手首を持ち上げる力)が著しく弱くなるため、ちょっとしたものでも持ち上げられなくなります。また指先に力が入らなくなりますので、指が伸びなくなり、ペンなどうまく持てず、字もうまく書けません。パソコンのキーボードなども打てなくなります。

また腕や手の平、甲のむくみなどもよく見られる症状です。手が腫れてしまったとご相談を受けますが、その多くはむくみによるものです。

 

感覚神経の障害

橈骨神経の支配領域にしびれや感覚鈍麻が現れます。親指と人差し指の水かき部分、C6(手の甲側)にほとんどの方が感覚鈍麻を、同時に前腕~手首周囲にもしびれや感覚鈍麻を訴える方が多いです。症状が重いほど、しびれ(正座のあとのように常にしびれを感じる)と感覚鈍麻(触るとしびれているのが分かる)の両方の症状が同時にあり、中程度~軽度ですと、感覚鈍麻だけ感じるという方が多いです。

 

橈骨神経麻痺と痛み

発症直後の痛みは誰にでも見られる症状ではありませんが、痛みがあると訴えられる場合、その多くは、上腕(二の腕)にあり、神経を圧迫した部分に打撲痛のような痛みを感じることがあります。しかし、この部分の痛みは時間の経過とともに自然にとれていきますので、心配はいりません。

橈骨神経麻痺で痛みが問題になってくるのは、発症後からしばらくしてから出現する痛みであり、前腕や手首の強い痛みが出た場合です。痛みはかなりきつく、動かない問題に加え、痛み・鈍痛などを訴えられるケースが多いです。

これは、麻痺の程度が重い方、自力でリハビリをしすぎて無理に動かしすぎた場合、発症からかなり時間がたってから治療を開始した場合、手首にサポータなどをつけて無理に動かした場合などに出やすい傾向にあります。

麻痺を治していくには、その段階、段階において、適切、適量なリハビリが必要ですが、それを超えると痛みが出やすくなります。多く動かせばいい、はやく治るというものではありませんので、注意が必要です。

 

写真と動画で見る橈骨神経麻痺

撓骨神経麻痺

グーに握っている状態です。しっかりと握れない、力が入りくい感じがするはずです。

この状態から手首を上に持ち上げることができません。麻痺の程度が悪くなるほど、手首を反らすことが難しくなります。

動画で確認してみましょう。この方は1年以上治らないということで来院されました。程度がひどいと、グーに握ることすらままなくなります。握力計を握ることさえできません。ほとんど何もできない状態です。

ここから手首を上げることが全くできません。徒手筋力検査のレベル0に該当します。

橈骨神経麻痺(重症例)グーに握ることができない その1

1ヶ月ほど施術したあとの動画です。グーに握る力が少し出てきています。なんとか水平近くまで上げられるようにはなりましたが、その後、日常生活に支障ない程度に戻すのに1年以上かかりました。橈骨神経麻痺は初期にきちんと治しておかないと完全に治りきらないことがありますので、注意が必要です。

橈骨神経麻痺(重症例)少し握れるようになりました その2

他の方の症例をもう一つご覧ください。グーにして手首を上げようとしても上がらない、、パーでも上げることができません。程度として軽くはないのですが、握りこめるだけ前のビデオの方よりは軽いと言えます。この程度の麻痺では2.3ヶ月ぐらいを治癒までの目安とします。

橈骨神経麻痺(重症例)グーもパーもほとんど動かせない

撓骨神経麻痺

パーに開こうとしてもらった状態です。パーに開くこと自体が困難で、指と指の間も開くことができません。

この状態から手首を反らすことはグーの状態から反らすよりもっと困難です。

撓骨神経麻痺

違う角度からのパーの撮影です。指と指の間が開いていないことがわかります。

手首は屈曲のほうへ(反らすとの反対方向)曲がってしまいます。

橈骨神経麻痺

下の手が麻痺したほうの手です。

手首や指を曲げる屈曲の働きをする正中神経は麻痺していませんので、屈曲方向に引っ張られてしまい、指が曲がってしまいます。指を伸ばす、手首を持ち上げるなどの伸展の動きが出来なくなるのが、橈骨神経麻痺の特徴です。

撓骨神経麻痺

麻痺を発症して1.2週間ぐらいで麻痺側前腕の筋肉が萎縮することが多いです。

上の写真では上が麻痺側で下の腕に比べ、細くなっています。

一時的な筋委縮は避けられませんが、麻痺が回復すれば、筋肉は自然に戻りますので、心配いりません。

 

撓骨神経麻痺の程度

外傷性以外の橈骨神経麻痺は発症から時間が立っていない限りにおいて、その予後は良好です。

問題となるのは、適切な施術を受けられないまま、治らずに時間が経過してしまったケースであり、この場合に、治らない、完全に治らない、しびれ、握力低下、腕の痛みなどの後遺症が残ってしまいます。

橈骨神経麻痺の予後はその程度によって大きく異なりますので、ご自分がどの程度の麻痺なのかを正しく把握することがとても大切です。

麻痺の程度によって施術を始めたほうがよいか、しばらく様子をみてみるかを正しく判断しなければなりません。

徒手筋力テスト

麻痺の程度は下記の表のように筋力テストでの6段階の評価法があります。施術が必要な麻痺のレベルは2以下です。

橈骨神経麻痺で麻痺する筋肉は手関節の伸展(手首を上に持ち上げる力)、指の伸展(指を上に持ち上げる力)などです。その逆の動き、手関節の屈曲は障害されません。

指の伸展が特に困難な場合、後述の後骨間神経麻痺の症状が混在しているケースも珍しくありません。

程度状態治療期間の目安
5強い抵抗にさからって完全に運動ができる通院不要
4若干の抵抗にさからって完全に運動ができる通院不要
3重力に抗して完全に運動ができる通院不要
2重力を除くと完全に運動ができる数回~1ヶ月以内
1わずかな筋収縮はあるが、関節は動かない2ヶ月~3ヶ月以上
0筋収縮なし3ヶ月~4ヶ月以上

※1 橈骨神経麻痺は手首を持ち上げられないというのが典型的な症状です。後述の後骨間神経麻痺は、手首は持ち上げることはできますが、指を伸ばすことができなくなります。混同して、手首が上がるから軽症だと間違った判断をしないよう注意してください。

詳しくは後骨間神経麻痺のページをご覧ください。

※2 同じ麻痺レベルであっても治療期間に差があるのは、そのレベルの中でも程度の差があるからです。レベル2の麻痺でも正常のレベル3に近い麻痺もあれば、悪いほうのレベル1に近い麻痺もあります。基本的には麻痺の程度が悪いほど、発症から施術開始までの時間が空いたものほど長くかかります。

 

『麻痺の程度』を図る表

徒手筋力テストの評価表ではわかりにくいという声も頂きましたので、私が考えた麻痺の程度を測る表も参考にしてみて下さい。

手はグーにした状態で検査してみてください。パーで検査するよりも、グーでしたほうがやりやすい、動きやすいのが普通です。

状態程度
グーに握った状態で手首を水平よりも上に持ち上げることができる比較的軽症
グーに握った状態で手首を持ち上げると水平近くまであげられる軽症~中程度
グーに握った状態で手首を持ち上げことはできるが、水平までは程遠い中程度~重症
手首、指にわずかな動きはある 重症
手首は全く動かず、指を上にあげることも全くできない 重症

 

難治性の後骨間神経麻痺

橈骨神経麻痺に比べるとやや少ない疾患ですが、後骨間神経麻痺(下垂指)という似た症状があります。後骨間神経麻痺になると、しびれなどの感覚異常はないことが多く、指を伸ばすことができない、パーに開いたまま手首を持ち上げると、指が曲がってしまう症状が顕著に出ます。

橈骨神経麻痺を発症する場合、うたた寝をしていて、腕を圧迫してしまった・・、ベンチや電車、飛行機でもたれかかるように寝てしまい、腕を圧迫してしまった・・・など、腕の圧迫の結果、寝て起きたら麻痺になっていたなど身に覚えのあることが多いのですが、後骨間神経麻痺を発症された方の多くは、いつ発症したのかよくわからない、決定的な原因がない、自然発症のことが多いです。発症の数日~数週間前にとっぜん腕や肩の激痛が数日続き、その後、手が動かなくなってきたというように、最初は痛みの症状→やがて麻痺を発症という経過をたどるケースもよくみられます。

こういう発症の仕方をされたケースでは、橈骨神経麻痺はではなく、後骨間神経麻痺のことが多いです。橈骨神経麻痺と間違われて診断されることもあり、本人は橈骨神経麻痺であると思っていても実は後骨間神経麻痺であったということが時々あります。後骨間神経麻痺は自然には治らないものが多いですので、すぐに施術を開始されることをお勧めします。

また初診時は橈骨神経麻痺の症状なのですが、治療中盤~後半にかけて指が伸ばせないという後骨間神経麻痺の症状が顕著になってくる症例もよく見られます。

詳しくは後骨間神経麻痺のページをご覧ください。

 

撓骨神経麻痺の原因

橈骨神経麻痺の原因ですが、大きく分けてふたつあります。

一番多いのが、腕の神経(橈骨神経)を強く圧迫したことで起こる末梢性の神経麻痺です。

骨折などの外傷性が多いと説明されているサイトが多いですが、実際のところ、それほど多くありません。圧倒的に多いのは、酔っぱらってひじ掛け椅子に持たれてうたた寝してしまった、フローリングなどの硬いところで眠ってしまったなど自分の体重による圧迫で麻痺しまったものが全体の8割ぐらいを占めます。

残りが、交通事故や骨折などの怪我により発症した麻痺でモンテジア骨折に伴う橈骨神経麻痺・後骨間神経麻痺は比較的よくみられる症状です。上腕骨骨折では橈骨神経麻痺が多く、骨折直後~か手術手術後~か髄内釘術後~かなどいつの時点で麻痺を起こしたのかを把握します。

骨折直後(手術前)~すでに動かなったという場合は、折れた骨や脱臼した骨が神経に損傷を与えたり、圧迫したりして、麻痺してしまったという可能性が高いですし、骨折直後は動いていたのに術後動かなくなったというケースでは、術中のなんらかの神経への圧迫や負担が麻痺を招いた可能性があると思います。

折れた骨が神経に損傷を与えたり、圧迫が長時間続いた結果麻痺してしまうと、完全に回復は難しかもしれません。一方、手術後~の場合は、基本的には神経損傷はないと考えています。そうならないように細心の注意が払われているはずです。

術中には神経を傷つないよう神経をよけたり、軽く固定したりして骨折部分の処置をしたりするわけですから、間違って神経を傷つけてしまったという場合は別ですが、術中に神経への圧迫や刺激、負担がかかり、麻痺になってしまったということもあり得ることであり、手術というのは常にそういうリスクがあるものでしょう。

稀には起こり得ることであり、少ない頻度で起こったとしても致したがないことだと私は考えています。神経への損傷さえなければ、初期の段階で施術を始めれば、回復は可能であるというスタンスで取り組んでいます。

原因1. 圧迫による橈骨神経麻痺(下垂手)の発症

橈骨神経麻痺の原因で一番多いのが、腕の神経(橈骨神経)を強く圧迫したことで起こる末梢性の神経麻痺です。

橈骨神経麻痺になった原因がわかっている場合

原因がわかっているものには次のようなケースがあります。

前の晩、腕枕をずっとしていた(新婚旅行で発病される方も多いことからハネムーン症候群とも言われますが、これが原因で発症したという方にはまだお目にかかっていません)、ベンチの背もたれに脇の下を挟むような姿勢を続けていた、肘掛のある椅子にもたれるようにうたた寝した、電車で座席の横のポールに腕をあてて寝ていた、飛行機やバスで肘掛によっかかるように寝ていた、お風呂で脇下を圧迫するように寝てしまった、緊縛による圧迫など上腕や脇下を圧迫するようなことをした結果、発症したものです。

なんらかの思い当たる原因があってその直後から手が動かなくなったのであれば、末梢性のもので一時的な神経麻痺と考えます。

こちらのケースでは因果関係がはっきりしていますので、高齢者でなければ、脳梗塞などの心配が少ないものが多いです。

 

橈骨神経麻痺になった原因がわからない場合

一方、どういう状況で発症したのかはっきりしない場合は、必ず、病院を受診後、ご連絡ください

脳梗塞などの内科的な問題から起きた問題でないことを否定することが大切です。

橈骨神経麻痺と似た症状で気を付けなければならないのが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の初期と非常に似ているということです。ALSの初期症状が手首や指の関節に出てしまうと、橈骨神経麻痺や後骨間神経麻痺と初期段階では見分けがつきません。

橈骨神経麻痺と診断を貰った上で施術をしているのですが「どうも通常の麻痺の治り方と違う」「なにかが変」と感じ、再度精密な検査をしてもらった結果、筋萎縮性側索硬化症だったというケースが過去20年で3症例ありました。様々な検査をしないとすぐに診断がつきにくい厄介な病気だと思います。

またこれも非常に稀な症例ですが、お姉さんが遺伝性末梢神経疾患(遺伝性圧脆弱性ニューロパチー)という疾患があり、自分も橈骨神経麻痺を発症し、検査をしたら、同じ疾患から麻痺を起こしていることが判明したというケースが1症例ありました。非常に稀なケースではありますが、常にいろいろな可能性は考えておかねばなりません。

まったく何の覚えもなく発病した時は、なにか他の原因から起きている場合もありますので、注意が必要です。

POINT 一度病院を受診してからご連絡ください

 

原因2. 外傷性の橈骨神経麻痺

怪我が原因の橈骨神経麻痺はさまざまなケースがあります。上腕骨骨折で麻痺、腕相撲でのらせん骨折、ボール投げたときにおこる投球骨折、ギブス固定よる圧迫、肩関節の脱臼で骨の位置がずれたことによる神経圧迫などよくあるケースです。外傷性のものは上腕骨骨折に関わるものが多いです。

頻度は少ないですが、骨折後、肘~前腕にかけての血行不良を放置することで起こるフォルクマン拘縮は進行してしまうと治りません。この場合、正中神経の麻痺が多いですが、当院の適応症ではありません。

また骨折治療の処置として、固定のためプレート、髄内釘を入れたり、抜釘したときに神経を損傷し、麻痺してしまったというケースもありますが、こちらも外傷性として考えています。プレートより髄内釘でのご相談のほうが多いです。

圧迫による麻痺に比べ、外傷性のケースではその状態は様々であり、治るか、治らないかは神経の状態次第といえます。切れてしまった、もう回復の余地がないほど損傷してしまったものは対処のしようがありません。また、麻痺から長い時間が経過してしまったものは完治が難しいことが多いです。

治る可能性があるものは、神経自体への損傷は少なく、麻痺してからまだそれほど時間が経過していないものでこういうケースではお役にたてる場合が多いです。

 

橈骨神経麻痺(下垂手)の施術

初回の施術でもっとも重視していること

橈骨神経麻痺になった患者さんの一番の心配事は「ちゃんと治るのか?」「どういう治療を受ければ治るのか?」、様々な情報が溢れるなか「施術法としてなにが正しいのか?」ということだと思います。

初回の施術では、この不安をまず解消して差し上げること、こういうふうに施術すれば、麻痺が改善していくということを、患者様が実感、納得していただけるよう施術を進めます。

発症後、すぐに施術を開始した橈骨神経麻痺は、重度の麻痺を除き、施術直後には「少しだけ動かしやすくなった」と改善を実感できることがほとんどです。

適切な施術を受ければ、その直後の状態が改善するというのをご自分で体感できれば、この施術を続けた先に治癒があるという道筋が見えてきます。

こういう施術を受ければ、改善するんだという実感をもっていただくことがとても大切だと思います。なぜなら、麻痺はすぐに治るというものではないからです。

この施術を受ければ改善するという実感を1回、1回の施術で感じ、体感し、納得していただくことが、治療を続けていく強い動機になっていきます。

 

末梢性の橈骨神経麻痺の施術

なるべく早く適切な施術を始めることが回復の鍵

末梢性の橈骨神経麻痺は一時的に神経が麻痺している状態ですので、麻痺の状態から一刻も早く開放しなければなりません。

1、2回の治療で治るというものではありませんが、発症後すぐに施術を開始すれば、軽度なもので1ヶ月位、中程度のもので、1、2ヶ月以内、重度のレベル0からの治療は3ヶ月~4ヶ月ぐらいが目安です。
時間が立てば、立つほど治りにくくなってしまいます。顔面神経麻痺もそうなのですが、麻痺の治療は、なるべく早く治療を始めることが大切です。

軽度の橈骨神経麻痺は自然に治っていくものもあります。治療が必要ないものもありますので、軽度~中程度の麻痺であれば、しばらくの間、経過をみても構いません。ただその間、あまり改善がないようであれば、なるべく早く施術を開始したほうが安全です。3週間とか4週間してあまりよくならないからと来院されて、施術開始が遅れると、治り方が悪くなりますし、後遺症が残る可能性が高くなります。

しばらく様子をみても改善に実感が薄ければ、なるべく早く施術を始めるべきと考えてください。様子をみるのは1、2週間ぐらいにしておくのが無難です。

 

施術方法(どうしたら治るか?)

橈骨神経麻痺は、頚椎のC5~T1という骨の間(椎間孔)から出た神経が腕に分布しています。麻痺を発症される方のほとんどはこの神経の出口の部分に問題があり、発症以前から腕への神経の通りがよくないという問題を抱えていらっしゃる方がほとんどです。

血管の中には血液が滞りなく流れていなければならないというのは誰でも理解できます。血液は流れをイメージしやすいですが、神経は流れをイメージしにくいとは思います。

では、なんで手は動くの?と考えていただきたいのですが、それは、脳からの指令が手に分布している神経に流れる、通じているから動くのであって、一部でも滞っていれば、正常に動かすことはできません。

そのように考えれば、神経も血管と同じで、滞りなく通じていなければならないという点ではまったく一緒です。まずこのことを理解していただくことが大切です。直接的な発症の原因は上腕の圧迫であっても、発症しやすい状況に以前からあったと(通りが悪かった)いう方がほとんどだと思います

なかなか改善しないという方は特に、この以前からの通りの問題が治るのを障害しています。この部分を開通させるように治療していなかいと治らないまま時間だけが過ぎていってしまいます。

橈骨神経の走行

上の図でオレンジ色の束が神経で橈骨神経もこの束の一部です。橈骨神経は頚椎のC5~T1という骨の間(椎間孔)から出ています。この橈骨神経の走行をガスの元栓とコンロに例えるならば、神経の出口(C5~T1という骨の間(椎間孔)=ガスの元栓であり、動かない手首=火が燃えないコンロという関係です。

もともとの元栓が締まっている(滞っている)のではガスが燃えないのは当たり前です。コンロに火をつけるには元栓を開かなければならないように麻痺している手首を動くようにしていくには、この元栓部分=(C5~T1という骨の間(椎間孔)を開くように治療していかなければなりません。わかりにくいとは思いますが、通りが(通じ方)悪いんだと思っていただければいいと思います。橈骨神経麻痺の施術で絶対にはずせないポイントはその通りを妨げている頚椎のC5~T1部分の出口(椎間孔)の施術です。ここをどう開通させるかが施術の決め手になります。

この部分の施術は手技で行います。手技といっても患者さまの側は触られているという程度の極めてソフトな方法で滞りを解消して腕のほうにスムーズに神経を開通させるのが目的です。

元栓を開くよう施術すると、腕への神経の通りがよくなりますので、即座に少しだけ手首が動きやすくなります。ガスの元栓を開けば、火は大きく燃えるのと理屈は同じです。ここまで患者様がわかるように説明しながら施術しますので、一度を受けて、体感していただければ、「こういう施術を受ければ治るんだ」という実感が持てますし、治療の方向性が理解いただけると思います。

はり治療は有効ですか?」とよくご質問を受けます。病院や整形などでは「特に治療法はない」といわれることが多いですので、なんとなく「はりが効きそう」というイメージがあるのだと思います。当院でもはりを使うのですが、この症状に関してははりは補助的に使うに過ぎません。

まずは神経がきちんと腕に流れるように開放させることが麻痺を治していくための絶対条件です。その上ではり治療・低周波などを併用していくとより効果的です。それと同時に、手首や腕を動かすリハビリを続けます。麻痺している神経に対して刺激を与え続けるのが大切です。

動かない手を無理やり動かそうとすると力をとても使いますので、腕の筋肉の疲労、肩や首のこり感、前腕の痛み、手首の甲の痛みなども出現します。リハビリと同時にこれら筋疲労も解消していくことが大切です。

施術ごとに手首の可動する角度や個々の指の動き、握力の測定などを行いながら進めますので、客観的に施術の効果を実感できます。早期に適切に施術を受ければ、末梢性の橈骨神経麻痺の予後は良好です。

繰り返しになりますが、時間が立つ程、治りにくくなります。数ヶ月もしてから治らないとご相談を受けますが、麻痺レベルの表を見ていただくとわかるように一番悪い状態のレベル0であっても、治療期間は3ヶ月~4ヶ月ぐらいですので、2ヶ月あれば、状態としてはかなりよくなっていないとおかしいのです。

もし、施術を受けていて、1ヶ月たってもほとんど改善しない場合は、その治療は効いていない、適切でない施術をただ続けていると考えて間違いありません。もしビタミン剤だけ飲んで、様子をみていて、1ヶ月しても改善の実感がなければ、それ以上待っても自然治癒は難しいと考えるべきです。

橈骨神経麻痺の施術は早期に治療を始めれば、施術前と施術後の改善が1回ごとに実感できなくてはなりません。骨折などの治療は全国どこでも同じレベルの施術が受けられますが、橈骨神経麻痺はマイナーな病気だけに、どこでもという訳にはいきません。

もし効果がいまひとつ、治りが悪いと感じた時は、いい治療院の選び方を参考にしていただいて、ご自分が受けている施術が適切かをご自分で判断することをしないと、のちのち治らないという大きな不利益を得ることにもなりかねません。

どういうふうに治るか

実際の治療経過を下のビデオでご紹介しています。初診~第9回目までの回復経過をご覧ください。

第10回 橈骨神経麻痺 麻痺になった方が治っていく過程を動画で日付順で紹介しています。どういう経過で治っていくのかをみてみましょう

どういう順番で治るか

第5回 橈骨神経神経(とうこつしんけいまひ)「麻痺が治っていく順序」編

外傷性の橈骨神経麻痺の施術

問題が多いのはこちらの外傷性の麻痺です。 圧迫による麻痺に比べ、その程度は様々であり、治らないなどの問題が多いのが外傷が原因の橈骨神経麻痺麻痺です。外傷性の橈骨神経麻痺では、その予後は次の3つのケースに分かれます。

1 治るもの
2 ある程度までは治るもの
3 治らないもの

これらのどれに該当するかは施術を続けていくと、ある程度予測がつくようになります。なぜなら、治るもの、ある程度まで治りそうなものは、継続して施術していくと、だんだんと改善が見られるようになるからです。逆に、なんども施術しても、全く変化がない、改善の兆しが見られないものは難しいということになります。怪我から時間が立てば立つほど、難しくなります。

とりあえず、試しに治療してみるという形になってしまいますが、改善する例も多くありますので、諦めるまえにご相談いただければと思います。

 

交通事故(むちうち)後の橈骨神経麻痺

交通事故でむちうちになった後、手が麻痺してしまったというご相談が時々あります。

首や上腕、肩関節外傷(骨折や脱臼など)があり、麻痺したものは、外傷性の橈骨神経麻痺に属しますので、治るか、治らないかの予測は基本的にできません。

一方、外傷のないむちうちで、しばらくして麻痺が起こったものに関しては、適切に施術すれば、治るものがほとんどです。

むちうちで橈骨神経麻痺を発症するケースでは、事故直後から麻痺というケースはあまりありません。事故後、しばらくしてから麻痺に進むケースが多数です。

発症後時間がたちすぎると回復が難しくなってきます。圧迫による麻痺と同様、発症したら、なるべく早く施術を開始することが大切です。

交通事故被害者の場合、自賠責保険を使えば、自己負担なく、橈骨神経麻痺の施術が可能です。

 

橈骨神経麻痺(下垂手)の施術間隔

橈骨神経麻痺の施術は発症後なるべく早く始めることが後遺症を残さないために大切です。

発症から時間が立ち過ぎてしまっている場合や、発症後すぐに施術を始めても、発症初期の施術が十分足りていない場合は、のちのち治りにくくなったり、後遺症が残る可能性が出てきます。

麻痺の程度にもよりますが、発症後、2、3週間ぐらいは集中的に施術すべき時期であり、この間は、なるべく頻繁に施術するのが望ましいです。この時期に集中して施術すると、のちの回復がスムーズに進みますし、後遺症が残る可能性が少なくなります。逆に、この時期の施術が足りないと、その後の回復のペースが遅くなったり、後遺症が残ってしまうケースが出てきます。

その後の施術間隔は最低2回/週と考えてください。

1ヶ月~1ヶ月半施術すると、状態はかなり改善してきます。また自力で治っていくだけの治癒力が出てきます。この治癒力が出てきますと、ある程度の間隔を空けても問題ありません。施術にいらっしゃらない間でも少しずつ自力で回復する力が出てくるからです。

橈骨神経麻痺の施術は、発症直後は集中的に、改善するにしたがって、少しずつ施術間隔を空けていくというのが、いままでの経験上一番望ましい施術間隔だと思います。

 

Radical Nerve Palsy

 

There are three main nerves running in the arm.
One is the radical nerve, the other is median nerve and, lastly, the ulnar nerve.
The radical nerve is easily damaged and paralyzed when you force your upper arm
and push for a short time on something with a hard surface like the armrest of a chair, the floor, the edge of a bar, and others. So, when the nerve is pressed against a hard surface, there’s a big chance to have radical nerve palsy.

Radical nerve covers 2 main nerves such as the motor nerve and sensory nerve. The motor nerve is one  that can help a person to raise his/her wrist and also it helps a person to twist his/her wrist to the left.
Therefore,if you have radical nerve palsy,you can hardly raise your wrist and twist it to the left.
The second main function is the Sensory Nerve.This nerve works more on the feeling of the person.Most people could feel the numbness between the index finger and the thumb.People could also feel the same on their forearm.

You might discover this symptom for the first only after you already had radical nerve palsy.There are many patients experiencing this,however,there are only a few details on how to fix this.

Most people panic when they experience radical nerve palsy. At first, most people think that it’s the beginning of body paralysis.
The difference between body paralysis and radical nerve palsy is the body part affected.
When you have paralysis of the body ,it affects only one side of the body.On the other hand,when you have radical nerve palsy,the symptoms occur only on your forearm and around your wrists.
It is always best to consult your doctor to tell whether you are experiencing one or the other.

Degree of paralysis

When the patient makes a fist, either with his right or left hand, and twists it so it’s facing the floor, he may be experiencing the slightest degree of paralysis.

When he makes a fist but he experiences a bit of struggle whenever he tries to raise his write up, it means he may be experiencing a less severe degree of paralysis

In the next situation, if he is having a hard time to make a fist on either hands and he can’t raise his wrist, it can be said that the degree of paralysis is serious.

How to fix it

There are two things to consider in order to fix radical palsy.

The first important thing is the person’s muscle condition. All nerves and blood vessels are within the muscles of a person’s body. It can be said that muscles are in good condition if they are soft and flexible. However, if they become hard due to any reason affecting body such stress, overuse of the body, etc., the nerve functions are prevented from running smoothly. So, in order to fix this, I will make the patient’s muscles softer by using needles (acupuncture).

The second important thing that we should know is that nerves running to the arms come from the nape. Every nerve comes from a small space between two bones on the sides of the backbone. There should be a proper amount of space in between these bones in order to accommodate the nerves. IF not, the small space will be too small for the nerves and problems may occur. Each bone in the body must be in its proper position and location. If they get dislocated or malformed, the spaces between them will get narrower and the nerves might be prevented from passing through them. as a result of this, nerves cannot function well and it will affect a person’s ability to move normally. In order for your nerve to function well, we need to adjust the bones on and near your nape by the use of the best alternatives.

ご案内

橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)Radical Nerve Palsyのことなら当院へご相談ください

 

所在地

住 所
東京都文京区千駄木1-22-28ネオハイツ千駄木 1階
電話番号
03-3827-6588

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南北線 「本駒込」駅から徒歩7分
都営三田線 「白山」駅から徒歩10分
車でお越しの方
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