軽度の橈骨神経麻痺の場合、治療の必要のない自然治癒を待ってもよいものありますが、中程度以上のケースでは施術をしないとなかなか治らない、完全には治らず、後遺症として残ってしまう場合があります。
後骨間神経麻痺は橈骨神経麻痺に比べ、自然には治癒しないものが多く、施術をしても完全には治らないものが、全体の3割程度あります。
特に治りにくいのは、手首の伸展はほぼ問題がなく(手首は上がる)、しびれなどの知覚異常はない、指だけ伸ばすことができないという整形外科医の解説にある後骨間神経麻痺が一番治りにくいです。
後遺症として多いのは、筋萎縮が戻らない(前腕が細くなったまま元に戻らない(橈骨神経麻痺に多い)、指の間の筋肉の萎縮(後骨間神経麻痺に多い)、しびれが残る(橈骨神経麻痺に多い)、前腕・手首の痛みがとれない(橈骨神経麻痺・後骨間神経麻痺両方に起こる)、握力が弱いままで元に戻らない(橈骨神経麻痺に多い)、パーに開きにくい、一部の指を伸ばすことができない(後骨間神経麻痺)などがよく見られる後遺症です。こういう後遺症が残ってしまうのは、ビタミン剤だけ飲んで自然治癒に任せた場合や重度の麻痺に多く、ある程度は回復したけれど、上記のような後遺症として残ってしまうことが多いです。
程度の重い後骨間神経麻痺の患者さんです。指が正中神経に引っ張られ強く屈曲しています。指の関節の拘縮が見られます。施術の難易度が高く、後遺症として残る可能性大です。多少でも改善すればという前提での施術になります。
これらの症状が残ってしまい、慌てて治療を始めても、改善させることは困難なことが多いです。ある程度の改善がみられることもありますが、改善のスピードが極めて遅く、半年~1年以上もかけて施術、その状態の維持のために、定期的な通院が必要です。
橈骨神経麻痺は適切な治療をすれば、基本的に治る病気です。適切に治療しなかったために後遺症が残ってしまうのはとても残念なことだと思います。1,2週間様子をみるのは構いませんが、治りが悪いと感じたら、早めに適切な治療を開始することが大切です。
後骨間神経麻痺はもともと治りにくいですので、すぐに施術を始め、後遺症をいかに少なくするかが大切です。