ぎっくり腰は冷やすべきか、温めるべきか?

2017/05/13カテゴリー:ぎっくり腰 , 症例コラム

ぎっくり腰本文中にも述べていますが、ご質問が多いためもう少し詳しく述べたいと思います。

ぎっくり腰になったら、冷やすべき温めるべきか、インターネット上にはさまざま情報が氾濫していて、実際どうしたらいいの?と思われると思います。接骨院などのHPでも「ぎっくり腰は温めるべき」と主張されているところもありますし、整形外科の腰痛ガイドラインでは「温めたほうが治ると報告されている」と引用までされている治療院もあります。実際に、ガイドラインではそのようなニュアンスで書かれています。

しかし、どうなんでしょうか?そもそも鍼灸院や接骨院は整形外科に行ったけど…という方がそのあとにいらっしゃる所。整形では「痛み止めだけ処方された」、「レントゲンを撮りどこも悪くないと言われたけれど、治らない」そういう状況の方がいらっしゃる最後の砦、隙間産業だと私は思っています。それなのに整形のガイドラインをそのまま引用して、「ガイドラインにも書いてあるでしょ、それが正しいんですよ」として情報発信しまう姿勢に私は強い違和感を感じますし、では、鍼灸院や接骨院の治療方針、信念、独自性はなんなの?という疑問をすごく感じます。

他では「うまく治らなかったのもをなんとか治す」ことで生業をたたている身としては、ほかと同じではいけませんし、どうするのが患者さまにとってよりいいのかということを実際の臨床の経験をいかしてアドバイスできるのがわれわれの強みだと思っています。痛み止めなど薬を使わずに痛みの軽減取り組んでいる我々だからこそ、日々の臨床ノウハウから一般に言われている「常識」とは違うかもしれませんが、患者様により有益な情報なアドバイスを提供できる臨床に則した知識があります。だからこそ患者様は保険の効かないわれわれのような自費の治療院にいらっしゃるのです。

ぎっくり腰で痛みの強いときは冷やすべきだと私は思います。痛みがすごく強いときにまったく炎症がないということはありません。ぎっくり腰直後の腰を触診してみればわかりますが、痛みの強い部分は熱っぽくなっているのがわかります。患者さんご本人も患部が熱っぽいと感じられることが多いはずです。こういう状況で温めると、その炎症をさらに拡大することになります。

100歩譲って、炎症が全くなかったとしても痛みが強いときの対処法としては、冷やしたほうが安全です。なぜなら冷やしてさらに悪くなることは少ないですが、温めて悪くなる可能性のほうが高いからです

冷やすべき、温めるべきの2択の論争ではなく、どちらがより安全かを考えれば、より安全な「冷やす」を患者様に勧めるべきでしょうし、落ち着いてきた段階でお風呂などで温めるのという2段階をアプローチをしたほうが、わざわざ危ない橋を渡らないで済みます。もうすでに十分痛いのですから、より安全な方法を選択したほうが賢明です。

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